医療人のビジョンとは?
こんにちは。
今回は、ビジョンについてお話しします。
ビジョンの重要性
ビジョンとは、将来像や理想像といった意味を持つ言葉です。
これを定め、日常的に意識することで、理想に近づくための行動を自然ととるようになります。
自分の行動や考え方の方向性を見失わないために、明確なビジョンを持つ必要があるのです。
医療人は、高度な技術力を、命を預かる現場で発揮し続ける必要があるため、目の前のことに意識を奪われやすく、将来的な自分の姿を見失うことも多いです。
そのため、医療人として長期的に働いていく上でも、ビジョンを大切にするべきでしょう。
では、どのようにビジョンを設定すればいいでしょうか。
ビジョンの定め方
将来像や理想像は、もちろん人によって異なります。
総合的な力をつけて多くの患者さんを救いたい人、先鋭的な力をつけて特殊な病気の患者さんを救いたい人など。
また、それら医療の仕事を通して金銭を得たい人もいるでしょう。
あまりに倫理的でない場合を除き、これらは人に修正されるものではなく、自身の内発的な動機により設定されるべきです。
であれば、ビジョンのもとになる思いを特定することで、自分に合ったビジョンを設定できるでしょう。
思いとは、自分や他者が起こした行動の結果を観測し、それを取り入れることで形成されていくものだと考えます。
例えば、もともとはとにかく多くの患者さんを救いたかったけれど、自分では対応しきれない特殊な病気の患者さんを目の当たりにする機会が増えて不満足が増えると、より先鋭的で高度な技術を身につけたくなったり。
安定した収入が欲しいから医療人になったけれど、患者さんとの対話や、感謝を受け取ることを通して、仕事そのものにやりがいを感じるようになったり。
過去の出来事の中で、今の自分に強く影響していることを振り返ると、現在のビジョンが明瞭に見えてきます。
そしてビジョンは、『誰に・何を・どのように』作り上げていくのかを考えることで、誰かに価値を与えるための基盤とすることができます。
先ほどの例で表すと、『対応することが難しい患者さんに、先鋭的で高度な医療技術を、医療従事者として病院で提供する』ことや、
『対話を重視した医療を受けることを望む患者さんに、対話を重視した医療対応を、病院や医療施設で提供する』こと、という形になります。
ここを明確にすることで、前者であれば、高度な医療技術を学ぶことができ、それを目的に来院する患者さんが多い病院に勤めるべきだし、
後者であれば、病院である必要はなく、医療知識を通してコミュニケーションを図ることで、患者さんの満足度を高め、自分のやりがいを増やすことができればよい、ということがわかります。
このようにビジョンを定めることで、自分がとるべき行動が見えてくるのです。
まとめ
今回は、ビジョンについてお話ししました。
ヒトの行動原理となるビジョンは、ただ生活を行う上でも基本的なものであるはずなのに、このように振り返ってみることは少ないのではないかと思います。
しかし、これを明確にしなければ、本当に自分がやりたいことや、行うべきことが見えてきません。
もし、自分のビジョンが定まっていないと思う方は、何かをやってみようと思う前に、あらためて過去の出来事を振り返ってみてはいかがでしょうか。
その結果として、人生がより理想的な方向に進むことを願っています。
中小企業診断修得者、診療放射線技師、簿記2級の資格を保有。医療現場での経験と、経営や会計の知識を活かし、目まぐるしく変わる医療現場における意思決定の支えとなれるよう尽力します。